現在、なぜか目指す人が多くなってきている理学療法士。
理学療法士になるための国家試験の受験者は年々増え続け、平成23年以降は毎年1万人以上の人がこの国家試験を受けています。
理学療法士国家試験の合格率は同じリハビリ職である、作業療法士や言語聴覚士よりも高い合格率です。
平成31年のデータを参考にして見てみましょう。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
理学療法士 | 12605人 | 10809人 | 85.5% |
作業療法士 | 6358人 | 4531人 | 71.3% |
言語聴覚士 | 2367人 | 1630人 | 68.9% |
確かに、理学療法士の国家試験の方が断トツに合格率が高いですね~。
理学療法が一番簡単だったってこと?
合格率高いし簡単に受かるの?
いえいえ、そんなわけはありません。
しかし、何も知らない人はこう思うのでしょうね…。
実は、私も現役作業療法士であり、国家試験に数点足りずに落ちた身です!必死に勉強を長い期間かけて行っても落ちることがあるのが理学療法などの国家試験の恐ろしいところですね…。
現在、このページを見ている方の多くは国家試験に落ちてしまった方。もしくは、自信がない方かと思います。
そして、落ちたけどもう一回受けようか。それとも諦めて就職しようかなど色んな考えを巡らしていることでしょう。
今回は、そのような方たちのために理学療法の国家試験に落ちてしまったらどうするか。国試浪人かそれとも働くか。もしくは他の方法があるのかということを解説していきます。
理学療法士国家試験に落ちた。浪人?就職?どちらがいいのか。
まず、最初に重要なことなのでこれだけは伝えさせていただきます。
他の人より一年間PTやOTにSTになるのが遅いことに何ら問題はありません。周囲と比較して自分に劣等感を感じたりするかとは思いますが、たった一年です。むしろ、私は他の人が経験できない一年間を過ごすことができたと感じて満足しています。
とは言っても現在あなたたちはとても不安であり人生の岐路に立たされていることでしょう。
ということで、理学療法士の国家試験に落ちたらどうするべきか見ていきましょう。
大きく分けて理学療法士の国家試験に落ちた後の選択肢は以下の3つに分かれます。
・理学療法国家試験のために一年間勉強する(国試浪人)
・他の職種に就職する
・一年間契約社員などで働きながら国家試験合格を目指す
第56回理学療法国家試験のために一年間勉強する(国試浪人)
この選択肢をとる方はかなり多いかと思います。
来年(第56回)の理学療法士国家試験のために、一年間また勉強しなおすという選択肢です。俗にいう国試浪人というやつですね。
実際に去年の理学療法士国家試験に落ちた私の知人も現在国家試験に向けて勉強しています。
しかし、国家試験の浪人生の合格率はかなり低いのです。
例として、第50回の理学療法士・作業療法士国家試験においての浪人生が合格した割合をみてみましょう。
(ここでいう国家試験浪人者は大学・専門学校既卒者の合計となります)
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
理学療法士 | 1675人 | 712人 | 42.5% |
作業療法士 | 668人 | 114人 | 21.6% |
このように、浪人後の理学療法士の国家試験はかなり合格率が低下することが分かります。
その理由としては、自分で計画的に時間の管理をしなければならず強い意志がないと怠けてしまうからです。さらに模試の申し込みなども自分で行わなければならずに計画的な行動をする必要があります。
その為、国家試験に受かるという強い意志を持っており計画的に行動した人のみ受かっているということです。
しかしながら、自分で計画を立てることが苦手だったりする人にも方法はあります。
一つ目は、出身校で国家試験対策を行うことです。
大学や専門学校の中には、浪人生のために国家試験対策のみ受けることができるシステムがあるところもあります。
ちなみに、私の学校でも半期で2万5千円ほどの値段で国家試験対策を受けることができ、毎日学校にて勉強している国試浪人生が多くいます。
来年も国家試験を受けようとする方の多くはこのシステムを利用しています。
もし、自分の出身校にこのような国家試験対策を受けれるシステムがあるのであれば利用するのが一番です。ぜひ、母校の先生や学務課に尋ねてみてください。
また、土日のバイトをしながら勉強をしている人もいました。リハビリの助手のバイトは特に今後のためにも役に立つバイトです。しかし、今後はずっとリハビリ職に就くと思いますので、その他のバイトをして経験を積んでおくのもいいかもしれませんね。
リハビリ職のバイト求人はマッハバイトに多くありますので早めに登録してこの一年に備えてください。
ちなみに、私は国家試験が終わって4月までの間にリゾートバイトをしましたよ
リゾートバイトで沖縄に行き友達と旅行気分でバイトをして、一か月ほど沖縄に滞在。交通費と寮費用は無料ですのでかなりのお金を楽しみながらためることができました。
旅行とバイトを両立できるリゾートバイトはほかの人との出会いもありかなり良い経験になりました。
是非、国家試験を終えた皆様にもおすすめします。
注)リゾートバイトは人気ですので今から応募をしておくことをおススメします。
理学療法士でない他の職種に就職する
二つ目の選択肢は、理学療法士以外の仕事に就くことです。
んー、でもせっかく専門の学校をでたのに。しかも、お金がもったいなく感じる…。
親に申し訳ないし。
こう思う方も多いかと思います。私も、このような選択肢を考えた時には真っ先に親への申し訳なさや勿体なさというのを感じました。
しかし、もしあなたが理学療法士にこだわらないのであればこのような選択肢は全然ありかと思います。
「理学療法士になりたいのにな。」という方にはあまりお勧めできませんが。
実際に私の周りにいる理学療法学科卒業し、国家試験に落ちた方の中には理学療法士は諦めて以下のような職業についている方もいます。
・介護士
・土木業
・営業
・コールセンター
・アフィリエイター
・友人に乗っかって企業
このように、理学療法士の国家試験に落ちて他の職種に就職している人は多くいるのです。
さらに、資格を取った人と変わりない給料をもらっている人も多くいます。
実際問題、理学療法士という職業は給料は低く昇給も少ないので、初任給では他の職種よりも高いということは多いですが将来的に言うと一般企業に就職した人よりも年収は低くなる傾向にあるのです。
ですので、あまり理学療法士になりたいとは思わないという方は他の職種を探してもいいかもしれませんね。
もし、医療に関わりたいというのであれば介護士もいいかもしれませんね。移乗の技術や疾患の知識も生かせますし、今後また理学療法士もいいかなと思ったときにも経験が役に立ちます。
国家試験浪人におすすめな就職&バイトサイト
そもそも、国家試験に落ちたからといって落ち込むことはありません。
理学療法士の障害年収をご存じでしょうか?
理学療法士の生涯平均年収は約1億7000万。
そして、中卒の生涯年収は1億8000万です。これをみれば理解できるようにあなたがこの仕事に就いたところで中卒以下の給料しかもらえないのです。1年くらいなんてことはありません。
それどころかこれを機に他の仕事を探せば、普通の大学卒の生涯年収2億5000万にすることだってできるのです。ということでそれほどこの職業にこだわりがない方は是非他の仕事を経験してみましょう。
マイナビキャリレーション
マイナビキャリレーションは、以下のような方におすすめです。
・未経験から事務仕事をしたい
・安定した環境で働きたい
・仕事もプライベートも充実させたい
充実したサポートで、しっかりと事務の仕事をスタートさせられますよ!
意外と医療職の方は人と関わらない事務仕事に憧れがちなところがありますのでこの機会にぜひ事務職の第一歩を踏み出してみてください。
キャリアチケット
こちらは、新卒向けのエージェントです。
ただやみくもに就職活動を行っても短大卒・大卒の特権を生かすことが出来ずに給料が低くなります。特に、専門で学んできた医療職にとって普通の就職は厳しいものとなるでしょう。
ハローワークに行っても適当な求人を紹介されて終わりです(経験済み)
そこで、利用したいのがこのキャリアチケットです。
まずは、求人検索してみてください。多くの求人がありますので必ずあなたに合った求人が見つかりますよ。あなたをベストな就職に導いてくれ理学療法士よりも適切な職業が見つかる可能性が高いですよ!
タイムチケット
タイムチケットは、30分単位で自分の時間を売ったり、他人の時間を購入することができるシステムです。
就職とは違いますがこれで稼いでいる方もかなりいるみたいです。
こちらは、自分の得意なことを売ることができるサービスです。例えば、写真を撮るのが得意というならマッチングアプリの写真を撮ってあげたりするだけで設定した金額を貰うことが出来るのです。さらに、話を聞くのがうまい方は話を聞くだけでも売れる場合もあります。
非常に面白いシステムであり、自分のやり方で可能性は無限大です。
自分のやり方を見つけてみるのも楽しいですよ!見ているだけでも面白いので是非ご覧になってください。
就職して仕事をしながら理学療法士国家試験合格を目指す
最後の選択肢としては、契約社員などで働きながら国家試験の合格を目指すということです。
実は、私も作業療法士国家試験に落ちた際にはこの方法をとっていました。
しかし、この方法はあまりお勧めしません。かなりきついからです(笑)
私は、当初は学校に後期のみ通って国家試験合格を目指す予定でしたが、親の反対や金銭的な事情にて契約社員として働きながら国家試験の勉強をしました。
私の契約社員として働きながら国家試験の勉強をしていた時期の流れは以下のような感じでした。
月~金=仕事
・8時~17時=仕事
・18時帰宅→食事や風呂
・20時半~勉強
・24時=就寝
平日は上記のような時間の使い方を行い、土日もほとんどを勉強に費やしてきました。
どうでしょうか?このような生活をしたいと思いますか?私も最初はできるだろうと思っていたのですが、仕事が終わり疲労感がある状態での勉強はかなりしんどいものでした。
それでも何とか継続し国家試験に合格することができました。
この場合のメリットとしては、お金をためながら一年間過ごすことができること。
そして、デメリットは勉強の時間が確保できずかなり苦しい一年になること。そして、一緒に勉強する仲間もいませんので気が緩みそうになるということです。
この一年間は正直かなりきつかったのですが、就職のときの自分の強みにもなりましたしいい経験をできたと感じています。
その甲斐あって現在は収入や環境に恵まれた職場で仕事をすることができています。
私も先ほど紹介したPT・OT人材バンクを利用して就職しました。最初はハローワークや転職サイトなどを見ていたのですが条件的にももっといいところはないかと考えていました。
そこで、非公開の求人もあるという噂のPT・OT人材バンクを利用してみました。そこで、現在の病院に出会うことができたのです。
職場選びはかなり重要であり、収入の面だけでなく環境や雰囲気(これが一番重要)となります。
ですので、できるだけ多くの求人を見て病院見学を行い、決めるようにしましょう!
とりあえず、学生でも利用できるPT・OT人材バンクは登録必須です。勉強して国家試験合格して良い条件で働くのであれば早めの行動が重要であり、良い求人はドンドン埋まっていきます。
先を見据えてこの機会にまずは登録しておいてください。
\無料で利用できて非公開求人多数/
理学療法士国家試験に落ちた。浪人?就職?どちらがいいのか。のまとめ
簡単にまとめると、理学療法の国家試験に落ちた際には他の職業につくか、一年間勉強する。そして働きながら勉強するという3つに分かれます。
どれが、おすすめというのは正直ありません。
あなたが理学療法士になりたいと思うのであれば勉強して来年受ける道。
理学療法士じゃなくてもいいというのであれば他の職種の仕事についても何ら問題はありません。しかし、このときの注意点は理学療法士よりも将来的に収入があがる仕事を選ぶことですね。
何はともあれ国家試験お疲れ様です。
この一年間は他の人には味わうことのできない年です。ぜひ多くのことにチャレンジをして有意義に時間を使ってください。
最初に言ったように私は国家試験に落ちたことを公開しておらず良い経験になったと感じています。あなた方もそう思えるような一年になればと思います。