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「農園の仕事って、体力的にきつい?」「夏の暑さは大丈夫?」「ずっと同じ作業で飽きない?」「給料は生活できるくらい?」。農園型の障害者雇用に興味はあるけれど、不安もある、という人は多いと思います。
この記事では、主な農園の公式サイト(2026年11月7日に確認)と国の資料をもとに、農園の仕事で「きつい」と感じやすいポイントを、体・時間・お金・人間関係・将来の5つに分けて整理し、それぞれの対策と、応募の前に確かめたいことをまとめます。
この記事の結論
- 体の負担は、屋内型や冷房のある農園が多く、しゃがむ作業がない・座ってできる・台車を使うなどの工夫もある。ただし農園や作業によって違う
- 時間は、残業なし・平日の日中が中心。週20時間から始められる農園もある
- お金は、時給1,200円前後からの求人が多く、フルタイムでなければ月収は15万円前後になりやすい
- いちばん考えておきたいのは将来。国も「キャリアが広がりにくい」と指摘している。雇う企業やその先の道を確かめ、農園以外の求人とも比べて選びたい
そもそも農園型の仕事とは
農園型の障害者雇用では、障害のある人は農園を利用する企業に雇われ、農園で野菜やハーブ、花などを育てます。種まき、水やり、苗の世話、収穫、袋詰めなどが主な作業です。仕組みは農園型障害者雇用とは?、主な農園の違いは障害者雇用の農園を比較でまとめています。

1. 体はきつい?
「農業」と聞くと、炎天下での力仕事を思い浮かべるかもしれません。しかし、障害者雇用の農園は、体の負担を減らす工夫をしているところが多くあります。公式サイトで確かめた例です。
- コルディアーレ農園:完全屋内型で冷暖房完備。危険な農機具は使わず、しゃがんで行う作業はないと案内されています
- IBUKI:冷暖房完備の屋内農園で、熱中症の心配もないと案内されています
- わーくはぴねす農園:屋内型と屋外型があり、屋外型の求人例では、土を使わず、スコップやじょうろなどの道具で、座って作業できると紹介されています
- めぐるファーム:屋外のハウス型ですが、冷房の設備があり、夏も平均25〜28℃で働けると説明されています。重い物は台車や潅水装置を使います
ただし、立ったままの作業や、同じ姿勢が続く作業はあります。腰や足に障害がある人、体力に不安がある人は、見学や体験で、自分の体に合うかを確かめましょう。
2. 時間はきつい?
農園の仕事は、平日の日中が中心で、残業がないところが多いのが特徴です。
- わーくはぴねす農園:週5日・実働6時間程度・残業なしの求人例
- IBUKI:農園の運営時間は概ね平日10時〜17時、原則として土日祝の出勤や残業はない
- めぐるファーム:週20時間から、出勤は9時か10時を選べる
生活のリズムを整えたい人や、長い時間働くのが難しい人には、続けやすい働き方といえます。一方で、決まった時間に毎日通う必要があるので、通勤の時間や手段は事前に確かめておきましょう。コルディアーレ農園のように、送迎がある農園もあります。
3. お金はきつい?
わーくはぴねす農園の公式の求人例では、時給は1,200〜1,280円からで、20日勤務のときの月収は約14.4万〜15.3万円とされていました。勤務時間が短めなので、時給がそれほど低くなくても、月収は15万円前後になりやすいのが現実です。
参考までに、厚生労働省の「令和5年度障害者雇用実態調査」では、障害者雇用で働く人の平均の賃金(月)は、身体障害23.5万円、知的障害13.7万円、精神障害14.9万円、発達障害13.0万円でした。農園の給料は、知的・精神・発達障害の平均と同じくらいの水準といえます。
一人暮らしで生活費をまかなうには、楽ではない金額です。家族と暮らしているか、年金などほかの収入があるかで、感じ方は大きく変わります。給料が上がる仕組み(昇給や、時間を延ばせるか)も確かめておきましょう。
ウネット
4. 人間関係はきつい?
農園では、3人ほどの障害のある人と、管理者やサポートスタッフで1つのチームを作ることが多くあります(わーくはぴねす農園では3人に1人のサポートスタッフ、コルディアーレ農園では管理者1人+障害のある人3人の4人1組)。少人数で毎日同じメンバーと働くので、合う人と一緒なら安心できる一方、合わない人がいると逃げ場が少ないと感じることもあります。
困ったときに相談できる人がいるかは、とても大切です。農園には運営会社のスタッフが常駐・巡回していることが多く、看護師(コルディアーレ農園)や精神保健福祉士(めぐるファーム)がいる農園もあります。見学のときに、誰にどう相談できるかを確かめましょう。
5. 将来はきつい?
いちばん考えておきたいのが、将来のことです。国の資料では、農園型などの働き方について、次のような課題が指摘されています。
- 雇う企業の本業と、障害のある人の仕事のつながりが薄い
- 働く場所が、企業のほかの社員と離れている
- 雇う企業が日ごろ関わる機会が少なく、キャリアが広がりにくい
農園で働いた経験は、生活のリズムを整え、働き続ける自信をつけるという意味で、大きな価値があります。一方で、農園の作業のスキルが、ほかの仕事にそのまま生かせるとは限りません。何年後にどうなっていたいかを考え、「農園で体調を整えてから、ほかの仕事に挑戦する」といった道も含めて計画しておくと安心です。
国は農園型の働き方をどう見ている?
農園などの働く場所を企業に提供するサービスは、国の資料では「いわゆる障害者雇用ビジネス」と呼ばれています。厚生労働省が把握した限りで、こうしたサービスで働く障害者は、2023年3月末の約6,600人から、2025年10月末には約11,100人に増えました。
厚生労働省は、明らかに法令に反する事例は確認されていないとしつつ、法律の趣旨に照らして疑問が残る事例があった一方で、能力の開発・向上につながる事例もみられた、としています。指摘されている主な課題は次のようなものです。
- 雇う企業の本業と、障害のある人の仕事のつながりが薄い
- 働く場所が、企業のほかの社員と離れている
- 雇う企業が日ごろ関わる機会が少なく、キャリアが広がりにくい
2026年8月の労働政策審議会の分科会では、こうしたサービスを行う会社に事業開始の届出などを義務づけ、ガイドラインに沿った支援に努めるよう求め、必要なときは指導や勧告ができるようにする案や、利用する企業に就業場所や仕事の内容などの報告を求める案が議論されました。これからルールが整っていく途中の働き方だといえます。
出典:厚生労働省 労働政策審議会 障害者雇用分科会 第141回(2026年8月31日)資料1、厚生労働省リーフレット「障害者が活躍できる職場づくりのための望ましい取組のポイント」
きついと感じにくくするための選び方
- 体:屋内型か屋外型か、冷房はあるか、座ってできる作業があるか
- 時間:週の勤務時間、短い時間から始められるか、通勤の時間と手段
- お金:時給、月収の目安、昇給、雇用形態と契約の期間
- 人間関係:チームの人数、相談できるスタッフ、雇う企業の担当者との関わり
- 将来:企業の別の部署に移った人はいるか、身につくスキル
どの農園も、説明会や見学会、体験の機会を用意しています。体験で実際に作業してみると、「思っていたより楽しい」「自分には合わない」がはっきりします。主な農園の詳しい情報は、わーくはぴねす農園、IBUKI、コルディアーレ農園、めぐるファームの記事にまとめています。
農園以外の求人とも比べて選ぼう
農園での仕事が合う人もいれば、事務やITなど、ほかの仕事のほうが力を出せる人もいます。農園型の求人だけで決めず、ほかの障害者雇用の求人とも比べてから選ぶと、自分に合った働き方を見つけやすくなります。
障害者専門の転職エージェントを使うと、担当者が希望や障害の特性を聞いたうえで、農園以外の求人も紹介してくれます。給料や勤務時間、配慮の内容を見比べられるので、「農園のほうが合っている」と納得して選ぶこともできます。
ちなみに、最もおすすめのエージェントは『障害者雇用バンク(旧エラビバ)』です。企業の求人とハローワークの求人をまとめて探せて、Web面談で自宅から相談できます。さらに、『dodaチャレンジ』などを同時に利用することで、紹介される求人の幅が広がり、よい就労に近づく可能性を上げることができます。
よくある質問
Q. 農業の経験がなくても大丈夫ですか?
A. どの農園も、未経験から始められるよう研修やマニュアルを用意していると案内しています。
Q. 農園の仕事は、精神障害があっても働けますか?
A. IBUKIでは働く人の約6割が精神・発達障害、めぐるファームでは精神障害のある人が中心と公表されています。体調の相談ができる体制があるかを確かめましょう。
Q. 飽きることはありませんか?
A. 種まきから収穫、袋詰めまで、作業にはいくつかの段階があります。ただ、決まった作業をくり返すことが多いので、変化のある仕事がしたい人は、体験で確かめてみましょう。
Q. 農園から別の仕事に移ることはできますか?
A. 雇う企業によります。企業の本社や別の部署に移った人がいるかを、応募の前に聞いておくと安心です。
Q. 家族が農園の仕事をすすめてきました。どう考えればいいですか?
A. 体の負担や時間の面で働きやすい職場が多いのは確かです。そのうえで、本人がやりたい仕事か、将来どうなりたいかを一緒に話し合い、見学や体験に家族と一緒に参加してみるとよいでしょう。
まとめ
農園型の障害者雇用は、体や時間の面では、屋内型や冷房、残業なしなどの工夫で、きつさを減らしている職場が多くあります。一方で、給料は月15万円前後になりやすく、国はキャリアが広がりにくいことも指摘しています。
農園で働くかどうかは、体験で自分に合うかを確かめ、雇う企業や将来の道まで考えて決めましょう。アスナロウネットが紹介している障害者雇用バンクなどで農園以外の求人とも比べると、納得して選べます。
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