【セミオープン就労とは】障害者就労の裏技といえる選択肢

【セミオープン就労とは】障害者就労の裏技といえる選択肢

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障害者の就労には、いくつかの方法が存在します。

まず、障害を雇用主に告知する『オープン就労』。

そして、障害を隠して働く『クローズ就労』。

基本的には、この2つが障害者就労をする際の選択肢となります。

しかし、実は障害者就労にはオープン就労とクローズ就労を合体させたいいとこどりの就労方法も存在するのをご存じでしょうか?

それこそ、今回解説していく『セミオープン就労』です。

今回は、いいとこどりの障害者就労方法であるセミクローズ就労について解説していきます。

【セミオープン就労とは】障害者就労の裏技といえる選択肢

セミオープン就労とは

セミオープン就労とは、会社の社員全てではなく、一部社員のみに障害を開示して働く方法です。

また、一般求人枠で自ら障害を公表して働くことをセミオープン就労と呼ぶ場合もあります。

つまり、オープン就労とクローズ就労の2つを合わせたようなハイブリッドな働き方であるといえるでしょう。

 

セミオープン就労をしている人は意外と多い

セミオープン就労という言葉は、オープン就労やクローズ就労と比較すると聞きなれない言葉だとは思います。

しかし、実際はセミオープン就労で働く障害者が多いのです。

以下は2017年度の就労状況についての調査結果です。

出典:『障害者の就業状況等に関する調査研究

この調査結果を見てもわかるように、一般求人障害開示として働いている方は一般求人で障害非開示として働く人よりも多いのです。

つまり、クローズ就労よりもセミオープン就労をしている方の方が2017年時点では多数なのです。

 

セミオープン就労のメリット

セミオープン就労には、いくつかのメリットがあります。

簡単にまとめると、オープン就労とクローズ就労の良いところを集めた障害者就労の方法こそ、セミオープン就労であるといえるでしょう。

セミオープン就労の具体的なメリットは以下の通りです。

セミオープン就労のメリット

  • 求人が豊富
  • 給料が高い
  • 最低限の合理的配慮は受けることができる
  • キャリアアップできる可能性が高くなる

 

求人が豊富

求人が豊富

セミオープン就労では豊富な求人の中から、職場を選択することができます。

オープン就労では、障害者雇用枠での就労しかすることができないため、応募できる求人数は限られています。

そのため、希望する職種に就職できなかったり、希望する条件の求人を見つけるのが難しくなる可能性が高いです。

その反面、セミオープン就労では一般求人に応募することが可能ですので、選択する職種の幅も広げることができるのです。

 

給料が高い

セミオープン就労はオープン就労と比較して、給料が高くなる傾向があります。

障害者雇用の場合の平均年収は200~250万円と言われています。

日本人の平均年収は433万円であり、一般雇用枠で障害者が就職することができれば、この平均年収に近づくこともできるでしょう。

しかし、一般枠で障害を開示するとなると多少なりとも条件を厳しく設定される可能性がありますので注意が必要です。

どちらにせよ、オープン就労と比較すると給料が高くなる可能性が高いでしょう。

 

最低限の合理的配慮は受けることができる

セミオープン就労では、障害を開示したうえで一般枠での就労を行うため、最低限の合理的配慮は受けることができます。

合理的配慮というのは、障害者が働く際に企業側が配慮するべきことです。

例えば、通院日の確保や服薬時間の確保なども合理的配慮に該当します。

クローズ就労であれば、このような合理的配慮を受けることはできないため、継続した就労が難しくなりますが、セミオープン就労では必要最低限の合理的配慮は受けることができるということです。

 

キャリアアップできる可能性が高くなる

キャリアアップできる可能性が高くなる

セミクローズ就労は一般枠での就労ですので、オープン就労と比較するとキャリアアップできる可能性が高くなります。

しかし、しっかりと実績を残さなければキャリアアップすることは難しいので大きなメリットとは言いづらいと感じます。

 

セミオープン就労のデメリット

セミオープン就労にはメリットばかりではありません。

オープン就労とクローズ就労の良いとこどりとは言っても、オープン就労に負ける部分も多いのがセミオープン就労です。

セミオープン就労のデメリット

  • 定着率が低い
  • 合理的配慮が十分ではない
  • 障害のない方と同様の仕事をする必要がある
  • 就職するのが難しい
  • ジョブコーチなどの支援機関が利用しづらい

 

定着率が低い

セミオープン就労の定着率はオープン就労よりもかなり低いです。

下のグラフは、厚生労働省が公開している障害者の就労方法別定着率です。

まず、障害者求人(オープン就労)の1年定着率は70.4%と高い水準であることが分かります。

一般求人障害開示(セミオープン就労は)オープン就労に続く49.9%となっています。

このデータの通りセミオープン就労で就職した人の半分以上は一年以内に職場を辞めているのです。

クローズ就労の30.8%の定着率よりは、高い数字となっていますが、セミオープン就労の定着率は低いといえるでしょう。

 

合理的配慮が十分ではない

セミオープン就労では、十分な合理的配慮を受けることは難しいです。

これは当然と言えば当然なのですが、一部の方のみに障害を開示していても、その他の方は障害があるとは知りませんので配慮をすることができません。

さらに、障害について知らない方からすると、一人だけ特別扱いを受けていると判断されてしまう可能性があるため、目に見える配慮を受けることが難しくなるのです。

例えば、勤務時間の短縮や異動の拒否などは難しくなる可能性が高いため注意が必要です。

 

障害のない方と同様の仕事をする必要がある

障害のない方と同様の仕事をする必要がある

セミオープン就労はあくまでも一般雇用です。

そのため、障害のない方と同様のレベルで仕事ができる必要があります。

勤務時間を短縮しなければ働くことができない場合や、仕事に必要な知識や能力が他の方より劣っている場合にはセミクローズ就労はお勧めできません。

セミクローズ就労を選択する場合には、他の方と同様の条件で雇われているということを意識して、働く必要があるのです。

就職するのが難しい

そもそも、セミクローズ就労を成功させるのは非常に難しいことです。

就職するまでの難易度で比較するとクローズ就労よりも高いことが予測されます。

セミクローズ就労は一般雇用で障害のある方を雇うということです。

雇用主側からすると障害者雇用率の充足のためにも、障害者には障害者雇用枠で働いてもらいたいですよね。

さらに、障害を一部の人に隠すということは隠せるほどの能力がなくてはなりません。

つまり、選考基準も厳しくなってしまうのです。

セミオープン就労で障害者を雇うということのメリットは、企業からすると少ないと考えられます。

そのため、セミオープン就労を受け入れる企業自体が限られてしまうということです。

ジョブコーチなどの支援機関が利用しづらい

ジョブコーチなどの支援機関は利用できないわけではないのですが、利用しづらくなります。

というのも、障害を一部にしか開示していない場合に、支援機関を利用することによって周囲にばれてしまう危険性があるからです。

この状況も、定着率が低い一つの要因になっていると考えられます。

 

セミオープン就労に向いている人

セミオープン就労は、オープン就労と比較すると難易度が高く、就職に失敗する可能性も高まります。

では、どのような方がセミオープン就労をするべきなのでしょうか。

セミオープン就労に向いている人

  • 症状が安定している人
  • オープン就労の仕事では物足りない人
  • 障害者雇用枠で自分のやりたい仕事がない人
  • 一般枠の方と同程度の能力がある方

 

症状が安定している人

症状が安定している人

一つ目は、症状が安定している方です。

精神障害などで、症状が安定していない場合にはセミオープン就労どころか一般就労自体お勧めしません。

セミオープン就労が自分には可能だと自己判断せずに、主治医の指示を仰いで就職活動を進めるようにしましょう。

以下の記事に、自分の状態に応じた障害者就労までのステップをまとめていますので参考にしてください。

 

オープン就労の仕事では物足りない人

オープン就労で働く障害者の中には、自分の能力よりもはるかにレベルの低い仕事をしていると感じている方もいます。

そのような方は、セミオープン就労に挑戦してみても良いかもしれません。

 

障害者雇用枠で自分のやりたい仕事がない人

障害者雇用枠で自分のやりたい仕事がない人

障害者雇用枠での仕事の半数以上は事務職です。

『en人事のミカタ』が行ったアンケートによると、障害者の雇用の58%が事務職。次いで軽作業が28%と仕事内容が大きく偏っていることが分かります。(参考:第98回障がい者雇用について

これでは、自分のしたい仕事が障害者求人には存在しないという意見もうなずけます。

もし、自分のやりたい仕事が障害者求人には存在しておらず、あなたの能力で行うことのできる仕事であればセミオープン就労という選択肢もあるでしょう。

 

一般枠の方と同程度の能力がある方

セミオープン就労の最大きな壁は、他の一般枠雇用の方と同様かそれ以上の能力を持っていなければならないということです。

つまり、障害に関わらず能力がなければ雇ってもらえませんし、運よく就職することができたとしても、周囲からは仕事ができない人というレッテルを貼られてしまうということです。

セミオープン就労はあくまで一般枠であり、障害者として雇われているわけではないということを認識しておく必要があります。

 

セミオープン就労を成功させる方法

オープン就労と比較すると、かなり難易度の高いセミオープン就労ですが成功させるコツもあります。

もし、セミオープン就労にこれから挑戦しようと考えている方は、目を通してみてください。

転職エージェントを利用する

転職エージェントを利用するというのが、セミオープン就労の成功の秘訣です。

聞いたことがある方も多いかもしれませんが、転職エージェントとは、キャリアアドバイザーという転職支援のプロがあなたに合った求人を紹介してくれる無料サービスのことです。

転職エージェントでは、求人を紹介してくれるだけではなく、企業との仲介人となってくれます。

ですので、自身では聞きにくい質問や要望も気軽に伝えることができるということです。

そして、このシステムを利用すればセミオープン就労をするための交渉もより円滑に行うことができるということです。

セミオープン就労を成功させるのは正直かなり難しいです。

本気で、セミオープン就労を目指すのであれば『KIMINARA』というサービスを利用してみてください。

あなたに合う転職エージェントを紹介してくれるため非常におすすめのサービスです。

 

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自分の強みを理解してアピールする

セミオープン就労を成功させるためには、雇用主に障害があっても雇用するメリットがあると思わせる必要があります。

つまり、あなたの強みをアピールする必要があるのです。

例えば、業務に生かせる資格や技術を持っているのであれば強みとしてアピールすることも可能です。

逆に言えば、何の強みや技術がない方を雇用主側は雇おうとは考えません。

まずは、自分の強みがそのような点なのかを真剣に考えて、評価してみましょう。

 

障害への対処法と仕事への影響を説明する

セミオープン就労をしたいと思い、応募する企業のすべてが障害に対しての理解を持っているとは限りません。

セミオープン就労を望むのであれば、自身の障害についてはもちろんのこと。

障害が仕事に及ぼす影響や、仕事に影響を与えてしまわないための対処法も考えて、説明しなければならないのです。

企業側をいかに安心させて、セミオープン就労について理解をしてもらうかが、成功のカギとなるのです。

 

【まとめ】セミオープン就労とオープン就労どちらが良いのか

ここまで、セミオープン就労についてまとめましたが、セミオープン就労とオープン就労ではどちらが良いのでしょうか。

結論から言うと、私はオープン就労をおススメします。

というのも、セミオープン就労は給料が良くなったり求人が豊富というメリットがあるものの、難易度が高く定着率が低いという大きなデメリットがあるのです。

メリットやデメリットを総合的に考慮すると、セミオープン就労はほとんどの方には厳しい就労の方法となることが予測されます。

それと比較して、オープン就労は給料の低さや職種の選択性の無さが問題となっているものの、定着率は最も高く、安定した収入を得ることができます。

また、就職の難易度もセミオープン就労よりもはるかに低くなるのです。

これらを考慮すると、セミオープン就労よりもオープン就労を選択する方が良いのではないかと私は考えます。

オープン就労をするにあたっても、セミオープン就労を成功させる方法と同様に転職エージェントを利用することで、就職の成功率が大きく上がります。

オープン就労におすすめのエージェントは以下の記事を参考にしてください。

ちなみに、最もおすすめのエージェントは『dodaチャレンジ』というエージェントです。さらに、『障害者雇用バンク(旧エラビバ)を同時利用することによってさらに、良い就労へ近づく可能性を上げることが出来ます。

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